【ホステスの読書日記】いま生きる「資本論」
佐藤優氏の資本論についての講座の書き起こし。
佐藤優って、いろんなところで顔出してるけど、どうにもクセが強そうで勝手に距離を置いていたんだけど、ふと立ち読みしてみたら文章の端々から頭いい人オーラが感じられて(何様だ。笑)、そのままお買い上げ。
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さんざん避けていたクセに、いざ読み始めたらちょっとしたジョークもウィットが効いているし、受講生からの重箱の隅を突くようなイヤミな質問もうまいこといなしてて今やすっかり佐藤優がマイブーム。
まさに絵に描いたような食わず嫌い克服を成し遂げたのでした。。笑
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資本論自体、堅すぎて1人じゃ読めないしなぁっていう反面、有名っぽいしあらすじくらいは知っておきたいと気になってたから、「ちょうど手頃かな〜?」くらいの気持ちで買ったのだけど、冒頭からかなり常識を覆される。
なぜ日本社会で私たちが生きにくくなっているのかを、総合知を駆使した理論(≒資本論)によって理解する。そうすると、人生がどうして苦しいのか、原因の6割が解明されると思う。
原因がわかれば、解決に向けた現実的戦略を構築することができる。
Byいま生きる「資本論」 P9
佐藤氏によると、古典文学を読むことは、それらを通して人間社会を知ることができるから、教養とかそういうことではなく、実益を多いにともなう行動なんだそう。
・・・高尚すぎてついてけない。
そもそも「資本論」って世界史で名前をちらっと聞いたことがあるくらいで、中身を全く知らなかったのだけど、マルクスが書いたのが資本主義の仕組みを明らかにするぞっていう意図と、資本社会に革命を起こして共産主義国家を打ち立てるぞって二つの文脈があるから、読み方というか参考書選びを気をつけないと社会主義実現に向けた観点から書かれたかなり偏った思考に染まってしまうこともあるみたい。
どうりで実家に帰省した時にカバンからのぞいてたこの本の表紙を見て、親が顔をひそめていたわけだ。苦笑
この本は前者の資本主義のシステムの解明の方に焦点をあてて書かれてるから、そんな心配は完全に杞憂だったわけだけどもw
ただ、資本論は正論すぎて読み進めれば読み進めるほど、なんか憂鬱な気分になってきちゃった・・・(T . T)
私が「いま生きる「資本論」」を読んでみて、資本論ってこんな感じかなぁって思ったあらすじを書くと、人間が働く能力は本来、商品にされるものではなかったのに、それが商品にされてしまった。で、資本家が「商品」を扱うときは、「それでどれだけ利益を出せるか」だけを見る。
だから放っておくと、最近はやりのブラック企業なんかもゴロゴロ出てくるし、労働者も労働者で資本主義のシステムの中で生活を続けていると、資本主義自体に染まっていく。出世ゲームに熱中して体を壊したり、家庭を崩壊させたり。
そうして人間をすり切れさせながら上げた利益は、株主にしか配当されない。
つまり、商品(≒労働者)には還元されない。
しかも、もっと残酷なことに「利潤率の傾向的低下の法則」というのがあって、元々高く売れていたものがどんどんコピーされる。利益が減る。規模をあげると利益率が低くても利益額が増えるから食べていける。この繰り返しなんだって。
本当に資本主義がこんなルールで回っているゲームなら、自分が資本家になる以外、勝ち目ないじゃんね。涙
しかも、会社員(≒労働者)している限り、利益の配当にはあやかれないんだから、資本家になる道もかなり閉ざされているっていう。
確かに、人生がなぜ苦しいのかの理由の6割はわかった気がするけど、それに対して「戦略を構築」って・・・。_:(´ཀ`」 ∠):
とてつもない底なし沼に足を突っ込んでしまった気分です。苦笑
【本文中で勧められてて気になってる本リスト】
- 心理学と錬金術 カールユング
- 経済原論 宇野弘蔵
- 資本主義の経済理論 鎌倉孝夫
- 論理トレーニング101題 野矢茂樹