奴隷のしつけ方｜ホステスの読書日記
タイトルを見つけたときは、ちょっとしたSM的な感じかと思ってドキドキして手に取ったけど、古代ローマの貴族が至って(？)真面目に奴隷の扱い方を指南する本でした。
体罰として手足を折ったり、焼き印を入れたり、奴隷には思考能力や道徳観がないと決めつけているなど、節々で目をそむけたくなるような記述もあるけど、ローマ人の生活習慣や思考が垣間見れてとても面白い。
しかし、何よりも読んでいて思ったのは、奴隷の管理方法といわゆるブラック企業の社員のマネジメント方法に相当に通じるところがあって、やり方は21世紀らしくスマートになったかもしれないけど、根底に流れている思想というか人間の残虐性は変わらないんだなぁと苦笑する。
しかも、奴隷はみんな基本的には自分の自由を望んでいるが、いざ自由が与えられる段になってみると、奴隷のままで生存を保証してもらうことを希望するものも少なくないって、なんかもう一昔前に流行った「社畜」なるワードを思い出さずにはいられない・・・。
結局、独立心があって周りを巻き込んでひっぱっていこうというタイプと、長いものには巻かれてほどほどに生きれればいいっていうタイプは人間が本来的に持っている志向性であって、時代が変わっても、どんなに自由が身近になったとしても変わらないんだなぁと思うのでした。
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