銀座のクラブで働く 兼業アラサーホステスブログ

銀座の高級クラブの大人な雰囲気と素敵なお客様が大好き♪昼間はOL・夜は派遣ホステスのアラサー女の日常をお届け☆

【ホステスのお仕事日記】日本を支えるサラリーマンの鑑を見た…気がする。

昨日のお仕事ではIT系の会社役員さんが遊びに来てくれました~♪

 

なんでも部下の昇進祝いだとかでシャンパン入れてくれたり、お席も華やかでノリノリで席に着いたのだけど、祝われているご本人がどうにもばつの悪そうな顔をして、そわそわしている様子。

 

昇進なのに、何かやましいことでもあるのかしらなんて思いつつ「何かお仕事残して切り上げてきたんですか?」なんて聞いてみたら、「そうじゃないんだよ。こういうお店慣れていないから。というか、平日に飲みに行くの自体すごく久しぶりかも。苦笑」なんておっしゃるのね。

「あら、普段はご自宅で家族団らんですか?」と返すと「いやいや、そんな時間もないよ。」とため息。「お仕事お忙しいんですね・・」と当たり障りない答えをしたつもりが、お返事が返ってこない。

 

もう少し待ってみようかなと数秒心の中でカウントして、改めてお客様のお顔を見ると目頭にきらりと光るものが。

 

うわうわ、お客様泣かせちゃった!爆

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オトナの男の人の涙なんて相当重いんですが!?なんて動揺しつつ、お客様の上司が他のお姉さまに鼻の下伸ばして盛り上がっているのを横目で確認して、お話を聞いたところ、相当に過酷なお仕事みたい。

なんでも最近のIT系企業のエンジニアさんたちは、お客さん先に一人で出向させられて、もくもくと誰にも頼れずにお仕事をこなしていくんだって。

 

で、彼もその例にもれず、とある大企業に出向しているらしいのだけど、扱っているのはなんと銀行のATMを動かすシステムなんだとか。バグやエラーは日常茶飯事で、不具合が発生すると夜中でも飛び起きて対応をしないと何億、何兆というお金が飛んでいくから、ツラいとかそういうことを考える前に「お客さんに迷惑を掛けちゃいけない」の一心だけで必死になって働くんだそう。

しかも、最近システムのアップデートがあったとか何とかで、そういう時は大体思いもかけないタイミングでにっちもさっちも行かなくなるから、2徹・3徹も当たり前だし、出向だから代休とかもなかなか取りにくくて、会社のデスクでちょっと仮眠してそのまま通しで働き続けてたんだって。挙句の果てに彼の場合、管理職扱いになっているから残業代すらつかないらしい。

私なんて徹夜なんか、学生時代ですらやったことないというのに・・!(大学自体にブラック企業に内定もらって、内定者研修合宿という名目で徹夜を強要されそうになったことはある。その時はトイレと偽り逃げ出して、部屋で一人寝てた。爆)

 

お客様は一通りしゃべり切ってスッキリしたのか、見るからに表情が明るくなってほっとしたけど、最後に言ってた「そういう状況を変えたいとか、会社辞めようと思うことも当然何度もあるけど、取引先からの感謝の言葉とか、自分がやめることで取引先に迷惑かけると思ったら、自分にできる限りの貢献はし続けてこうと思うんだよね。」という言葉が本当にグサリと来た。

 

個人個人のそういう思いは本当に大切だと思うし、日本人の美徳だと思うけど、経営層はみんな善人ではないし、そういう生活しているから効率も落ちるし、ひいては日本の生産性が落ちてどんどん貧しくなっているっていう諸悪の根源だと思うのよね。

いつかローマ人の物語で読んだ「どんな悪い仕組みもはじめは善意から始まった」という旨の言葉を思い出した夜だったのでした。